人探しは警察?探偵?探偵が行う人探しの内容について解説

探偵による人探しの内容

「人を探してほしい」
このような人探しのご依頼は、探偵業界の中でも浮気調査に次いで比較的相談割合の高いものになります。
失踪者の捜索というと、「探偵にわざわざお金を払わなくても警察が動いてくれるのではないか」と思う方もいらっしゃるかと思います。

しかしながら警察が捜索にあたってくれるケースは「対象に事件性、もしくは危険性が見られる場合」が基本で、どんな案件でも引き受けてくれるわけではありません。

警察が捜索にあたる例としては、未成年の長期的な家出、判断能力のない小さな子供や高齢者が失踪した場合、またストーカー被害を以前から最寄りの交番などで訴えていた方が行方不明になった場合など、明らかな事件性が見られる場合などが該当します。
そのため、成人の家出や私的な理由での人探しは、基本的に警察では引き受けてもらえません。

一方で探偵が請け負う人探しは、昔の恋人探しから、理由不明の失踪者まで幅広いです。
探偵が行う人探し調査は、「調査」「引き合わせ」「アフターフォロー」の3つの段階に分かれます。

この記事では探偵が行う人探しの内容とその手法、費用相場から自分で探す方法のヒントについて解説していきます。

探偵の人探し内容とその手法

探偵の人探しプロセスは大きく分けて、調査、引き合わせ、アフターフォローの三段階になっております。
それぞれのプロセスにおいて探偵がどのような役割を果たしているのか見ていきましょう。

調査

人探しにおいて調査を行うことは、言うまでもなく一番重要な段階であり、調査段階には以下の5段階があります。

調査1:聞き取り調査

主に依頼者から、失踪者の生い立ちや趣味、そして失踪に至る経緯などの聞き取りを行い、失踪者の人物像を明確化します。ここであぶり出したイメージ像をもとにこの後の調査を進めていく形になるため、どれだけ実際のイメージに近づけるかどうかが人探し成功の鍵となります。

また聞き取り調査の中には、「失踪者の持ち物の中で、なにか依頼者の手元に残っているものはないか」の確認も含まれますが、この際に財布や携帯を置いて出てっている場合は自殺の可能性が高まるため、早急な調査が必要となります。

調査2:データ調査

よく映画やドラマで「がさ入れ」という言葉を耳にすることがあると思いますが、データ調査では、依頼者からの許可を得た上で、自宅にその「がさ入れ」と呼ばれる調査を実行します。
※がさ入れ・・・「さがす」の倒語と「(他人の敷地に)入る」を組み合わせた言葉。問題解決などのために住居や敷地に立ち入って証拠を探すこと。(正式には「家宅捜索」という言葉があります。)

がさ入れ調査の際に、印鑑や通帳、ある程度の衣服など、生活必需品がまるっと無くなっている場合は意図的に行方をくらましたと判断できますし、
反対に、自宅からの持ち出し品が極端に少ない場合は、自殺もしくは犯罪に巻き込まれた可能性があると推測することができます。

失踪者のスマートフォンやPCが、現場に残されていた場合は、パスワード解析を実施し、検索履歴やホテルの予約履歴などを追うことで、失踪者の現在地をある程度絞ります。
自宅に残されている領収書などから、普段出入りしている地域や場所の特定を行い、この後の調査を効率的に実施するための戦略を立てます。

調査3:聞き込み調査

調査1,2で割り出した情報から、失踪者が滞在していそうな漫画喫茶やカフェ、ホテルなどを実際にあたり、周辺の人や商業施設の従業員に対して聞き込み調査を実施します。

この際、依頼者からのご要望で探偵が探していることをあまり露見させたくない、バレたくない場合もあります。
その場合は、実際の調査に関わらない内容でうまく実際そこにいたのかどうかという情報を聞き出し、少しずつ情報を収集して本人確認へ近づけていきます。

調査1,2の精度が高い場合は、この聞き込み調査によって失踪者が見つかるケースも稀ではありません。

調査4:ローラー調査

調査3での発見が困難であった場合、失踪者が滞在していそうな施設や地域全体に調査員が実際に足を運んで終日歩き回って調査を行います。
これを「ローラー調査」と呼びます。

この際、調査1で聞き取りした情報や、調査2で収集したデータをもとに、失踪者の趣味嗜好を捉えて推測し、歩いて探すことになるため、調査1と2は調査工程のなかでもかなり重要視すべきものとなります。

調査5:素行調査

ローラー調査を行っても発見が難しい場合は素行調査を実施します。
聞き取り調査で登場した「仲の良かった友人」や「恋人(または元恋人)」をマークして、失踪者の交友関係付近に滞在していないかをマークします。

依頼者を含む失踪者の周りにいる人視点での「仲の良かった友人」が実は「詐欺師」であった、というような可能性もまったく0ではなく、よくあるケースであるため、囲われている可能性はないかどうかも視野にいれて調査を進めます。

また家庭環境が厳しい場合にときどき見られるのが「駆け落ち」の可能性です。
このように素行調査では、「周りの関係者から失踪者を特定していく方法」を用います。

調査においては以上の5つの手法をうまく活用して、失踪者の追跡を進めていきます。
失踪者発見が難航する場合は、失踪者のイメージ像が誤っている可能性が高いため、聞き取り調査とデータ調査の見直しを行い、少しずつ本人確認へと近づけていきます。

引き合わせ

失踪者を発見した後は、依頼者との「引き合わせ」を実施します。
(依頼者が所在・生存を確認したい目的での依頼で、引き合わせを希望しない場合はもちろん割愛されるフェーズです。)

引き合わせの際は、探偵が探したことが失踪者に分かると、依頼者と失踪者の関係がこじれたり、よくない方向に向かってしまうことがあるため、依頼者から「間を取り持ってほしい」といったような要望がない限り、あたかも依頼者が探して発見したかのように「こっそり」引き合わせることが大切になります。

依頼者が地方などにいて簡単に出てこれない、または失踪者との引き合わせを望んでいない場合、調査対象者をしばらくの期間追尾して、失踪の期間中どんな生活をどこで送っていたのか、また失踪に関わる関係者のあぶり出しを行った上で、報告書にまとめ、依頼者に報告します。

アフターフォロー

失踪者が見つかったからと言って解決したとは言えません。
家出や失踪をするのには必ず理由があるはずで、その根本を解決できない限り、問題は一時的な解決に過ぎないからです。
なぜ家出や失踪をしたのか、その理由を明らかにし、関係の再構築を図ることが大切です。
家族間の問題解決を専門とするカウンセラーの提供や、詐欺や事件などに巻き込まれていた場合、必要があれば弁護士を介入させて問題解決を図るところまでが探偵の仕事です。

人探しを探偵に依頼するときの料金体系

探偵事務所に依頼をした場合、人探しにかかる費用は探したい対象者の情報をどれだけ持っているか、つまり調査の難易度や対象者との関係や状況により大きく変動します。
そのため、おおよそどのくらいの費用が発生するのかを言い切ることが難しいです。

人探しを探偵事務所に依頼した場合、大体が以下4つの料金体系に当てはまります。
1.基本料金+成功報酬制
2.時間料金制
3.完全成功報酬制
4.パッケージ料金制
それぞれのメリットデメリットは以下のようにまとめることができます。

基本料金+成功報酬制

決められた基本料金にプラスして成功した場合には追加で料金を払う料金体系です。
メリットは依頼が失敗し、対象者と再会が叶わなかった場合、基本料金の支払いのみで済む点ですが、デメリットとしては依頼が失敗した場合でも、基本料金(=着手金)の返金は一切されないという点が挙げられます。

時間料金制

時間料金制の場合は時間当たりの金額が確定されているため、早期に解決した場合はほかの体系と比べても最も安く費用を抑えることができる点がメリットと言えるでしょう。
デメリットとしては、もしも調査が難航してしまった場合は上限が設けられていないため高額請求に繋がる可能性があるという点が挙げられるため、場合によっては調査打ち切りの判断を行う必要があります。

完全成功報酬制

完全成功報酬制は文字通り、調査に成功した場合のみに支払いが発生するシステムです。
メリットはもちろん、失敗した場合に料金の支払いが発生せずに済む点が挙げられますが、デメリットとしては成功報酬が高額であることが多い点と、「成功の基準」が曖昧なことで依頼者と業者間での食い違いが発生する場合がある点が挙げられるでしょう。

パッケージ料金制

パッケージの料金体系の場合は、あらかじめ費用が確定されているケースがほとんどなので、料金面での不安が解消されることが一番のメリットと言えます。また調査時間が長くなればなるほど割引が効くことも多いです。デメリットを挙げるとすれば、予定期間より早く調査が終了した場合は割高になってしまう可能性がある点です。

探偵事務所に依頼をする場合、人探しは時間との勝負になります。
難易度によって成功率や支払う金額も大きく変動するため、勢いで判断せず、相談員とよく話し合い、積極的に疑問点を解消し、納得できる形で契約を締結するように心がけましょう。

人探し依頼時の注意点

人探しを業者に依頼する際の注意点として、以下3点を押さえておくべきです。

注意①
なにをもって成功とするのか「成功の定義」を依頼者と探偵会社側で一致させておく

注意②
最終支払金額をきちんと確認しておく
→「終わってみないとどれくらいの請求になるか分かりません」と言われた場合はご自身の予算など、上限金額をあらかじめ伝えておきましょう。

注意③
金額の安さと勢いだけで依頼をかけず、複数社、複数プランを検討した上で、依頼をする

注意点をしっかり押さえて、「望んでいた調査結果が得られなかった」「思っていた倍以上の高額請求をされた」などといったトラブルを防ぎ、気持ちのいい取引が実現できるようにしましょう。

自分で行える人探しの方法

人探しを検討している方の中には、「費用を払って探偵にお願いするほど切望はしていないものの、会いたい人がいる」という思いがある人も少なからずいらっしゃるかと思います。

失踪者の捜索などマイナス理由での必要に迫られた人探しでない場合(例えば旧友や昔の恋人との再会など)は、まずはご自身で人探しをしてみるのも一つの手かもしれません。
自分で行える人探しの方法として、一番有効的なのはSNSの活用です。
そのほかの手法と合わせて人探しを行うのはいかがでしょう。

1.Facebook
Facebookは実名登録を基本としているため、探したい相手がもしFacebookを利用している場合は、名前を検索するだけで相手の情報を手に入れられる可能性があります。

2.Twitter
Twitterの拡散力を利用して人探しを進める方法も有効的です。
リツイートやハッシュタグを用いることで、1つの投稿を多くの人に見てもらえる可能性があるSNSです。

3.様々な検索窓
Google検索やYahoo!検索、BingやBIGLOBEなどの検索窓で名前を検索してみるといいかもしれません。
それぞれに検索結果を出すアルゴリズムが異なるため、違う検索結果が出る可能性があります。1つの検索窓だけでなく複数試しましょう。

4.画像検索の利用
画像検索とは、画像を検索窓にアップロードすることで、類似した画像を検索してくれる機能です。
探したい相手がもしネット上のどこかに顔写真等をアップしていた場合、もしかすると有益な情報がヒットするかもしれません。

5.聞き込み調査の実施
アナログな方法ではありますが、当時の周囲の友人で連絡可能な人に対して聞き込み調査を行うことで何か有力な情報が掴めるかもしれません。

聞き込み調査のデメリットは人の記憶だけが頼りとなるため、無駄足になってしまう可能性がある点ですが、もし会いたい人物と出会ったのがここ数年の出来事であれば情報を得られる可能性はぐっと上がります。

最後に

もちろん自分で人探しをすることは可能です。
ただ、失踪(もしくは別れ)や連絡を取らなくなってから、相当期間があいている場合は、捜索が難航する可能性が高いため、プロに依頼することによって早急な解決が叶うかもしれません。
例えば「名前だけしか情報がわからない」といった場合でも探偵事務所には問題なく依頼をすることができます。

もちろん探している相手の情報が多ければ多いほど、見つけられる可能性や見つけるまでの時間を短縮することが可能ですが、プロ視点にもなれば、少ない情報からも情報を集め、探し出すことが可能なこともあります。

インターネットやSNSが生活に密接に関わっている現在、私たちは探したい人物を見つける術を多く手にしています。
もしも、警察には相手にしてもらえないが、失踪者を探したい、または再会したい人がいるのであれば、ぜひその気持ちを大切に、再会できる手段を探してみてください。